フランス革命とアメリカ革命の違いとは?

フランス革命の少し前、海を挟んだ大陸でも革命が起こりました。

世界史の中でも代表的な「アメリカ独立革命」または「アメリカ独立戦争」とも言われています。

さてフランス革命とアメリカ革命の違いとは何だったのでしょう。

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植民地アメリカ

アメリカはそもそも15世紀末にコロンブスによって発見された新大陸であり、その後ヨーロッパ各国から植民地支配を受けていました。

とりわけイギリス領はフランス領に囲まれる形での植民地だったことから、その地理的な理由でたびたび衝突を繰り返していました。

最終的に「フレンチ・インディアン戦争」でフランスが敗北したことによってフランスの植民地はほぼイギリスへと渡りました。

その戦費をイギリス側は植民地側の税金で賄おうとしたため、様々な課税を掛けます。

その結果、その不満がそのまま革命へとつながり、1775年レキシントン・コンコードの戦いを機にアメリカ独立革命が始まりました。

そしてアメリカは独立に成功し、1783年にパリ条約をもってイギリスから正式に独立、アメリカ合衆国を建国します。

二つの革命の違い

さて時をさかのぼって、イギリス人がアメリカ大陸に入植したのは1607年が始まりだとされています。

アメリカ革命が1775年ですから今でいうイギリス系アメリカ人の2世、3世あたりでしょうか。

生まれも育ちもアメリカ大陸、という人も多かったでしょう。

初代大統領ジョージ・ワシントンも植民地で生まれています。

彼らは植民地での自治を認められていたものの、イギリス本国での発言権がありませんでした。

すなわち革命の原動力はイギリスという国に対する不満であり、フランスのような身分ないし階級社会に対する不満とは少し違っています。

また宗教的にも違いを見せています。

フランスは上記のように特権階級、すなわち聖職者と貴族に対する不満が原動力となっています。

この時代のフランスは17世紀の頃ルイ14世によってプロテスタントが非合法化され国外へ、国内にはカトリックしかいませんでした。

つまり聖職者への不満はそのまま教会、ひいてはキリスト教そのものの批判となります。

ゆえに1801年にナポレオンがローマ教皇と和解するまで徹底的に否定されています。

ではアメリカはどうでしょう。

そもそもプロテスタントのイギリス人たちが新天地を求めてアメリカに入植していたり、イギリス本国でも二度の革命の結果、カトリック勢力が弱体化していたこともあり、宗教的な批判はありませんでした。

二つの国が求めたもの

フランス革命もアメリカ革命も市民革命と言われています。

どちらも同じく既存の権力に抗っているのに印象が異なります。

フランス革命は封建主義的な旧体制からの解放であり宗教的な側面もあいまって「抑圧」からの解放という印象を受けます。

実際フランスは革命後も絶対主義的な体制を色濃く残しています。

アメリカ革命の方は植民地からの独立という点やイギリス自体が革命を経ていることもあり、「抑圧」という印象は感じません。

あくまでも本国との「平等」を強く求めた革命であり、それが合衆国という連邦国家の建国となったのでしょう。

それでもどちらも多くの血を流しているのでその点は何とも言えないし、賛否はあるでしょう。

しかしながらアメリカ革命における独立戦争にフランスが参加したからこそフランス革命が勃発したと考えるとなんとも皮肉なものです。

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