フランス革命が現代にもたらした影響とは一体どのようなものでしょうか。
フランス革命と聞くと、どうしてもマリーアントワネットやルイ16世が処刑された革命、というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、それはあくまでもフランス革命の1部に過ぎないのです。
それならば、フランス革命は現代にどのような影響をもたらしたのでしょうか。
ここでは、革命がもたらした影響について解説します。
人権というものが出来上がる
私たち日本人にとっては、国民主権や基本的人権の尊重、平和主義などという憲法の教えが当たり前の理念になっています。
しかし、そのような人権というのは決して当たり前のものではありません。
歴史を重ねて出来上がったものであり、そもそも今から500年ほど前、人権というものは存在しなかったのです。
ヨーロッパにおいて、啓蒙思想というものが出来上がりました。
ルソーやモンテスキューという哲学者たちが自由というものを考えだし、そこから人権というものが生まれたのです。
ルソーの人権思想はフランス革命に影響を与えており、人権宣言を採択したフランス革命は現代に人権という理念を与えたきっかけと言えるのです。
国民主義の成立
数百年前、今の世界は今現在の国境のように国々が分かれていたわけではありません。
例えばヨーロッパにおいてもプロイセン王国や神聖ローマ帝国などが存在し、様々な国が入り乱れていたのです。
それは日本も同じです。
大名がそれぞれの領地を支配し、特に日本人という感覚はなかったのです。
同様に世界的にも「自分がフランス人である」などという意識は存在しませんでした。
しかし、フランス革命によってフランスの平民たちが自分たちの生活を守るために立ち上がらなければならなくなり、自分たちはフランス人である、自分たちこそが国民の代表である、という意識を持つようになったのです。
これは国民主義の誕生であり、わかりやすく言えばナショナリズムが生まれた瞬間と言えるでしょう。
身分が高くても身勝手は許されない
フランス革命と言えば、アンシャンレジームのもとに起こった革命であり、人口のわずか2パーセントを占めていた聖職者や貴族たちが98パーセントを占めていた平民を牛耳っていた時、その平民たちが立ち上がり、王政を廃止してしまったという革命です。
当時、国王であったルイ16世や王妃であったマリアントワネットはギロチンであっけなく殺害されました。
この革命は、貴族たちの生活を大きく変えたといえます。
もともとは身分が高く、平民にとっては歯向かうことさえできなかった人々ですが、怒りを覚えた平民たちは彼らを殺害してしまったのです。
つまり、フランス革命というのは身分が高いからといって何をしても良いというわけではなく、どの身分の人間にでも人権というものは存在し、むしろ国は人々の生活を守っていかなければいけないということがあからさまとなったのです。
人間は平等である、国は国民を守らなければいけない、という考え方が生まれた瞬間とでも言えましょうか。
まとめ
いかがでしょうか。
フランス革命は人権という意味において現代に大きな影響与えたと考えられます。
確かに現代からしてみるとフランス革命は1789年という遠い昔に行われたものですが、その時に生まれた思想というものは確かに現代にも根付いているのです。