フランス革命で採択された人権宣言とは、どのような意義があるのでしょうか。
フランス革命は決してマリーアントワネットとルイ16世が殺害され、王政が廃止されたというだけのものではありません。
フランス革命は人権宣言を採択し、この人権という理念は世界に大きな影響与えたのです。
それならば、人権宣言の意義とは一体なんなのでしょうか。
ここでは人権宣言の意義について紹介します。
それぞれの国々の人権を盛り込んでいる
そもそも、フランスの人権宣言というと世界で1番最初に人権というものを作り出したかのように歌われていることが多いですが、決してそうではありません。
もともとロックの抵抗権、モンテスキューの権力分立、ルソーの社会契約など、政治学的原理に由来している人権宣言は、ジョージメイソンによって作られたバージニア権利章典や、アメリカの独立宣言に基づいたものでもあります。
つまり、人権宣言というのはそれまでに作られた人権を認めた者を盛り込んだものであり、そういう意味ではそれまでの人権という考え方を引き継いだものだと言えるでしょう。
フランス革命の基本原則
人権宣言はフランス革命を受けて出来上がったものですから、当然ながら、原則というものが盛り込まれています。
人間の自由と平等、言論の自由、人民主権、三権分立など、17条から成り立っています。
これはフランスの憲法の土台ともなり、この人権宣言は1789年8月26日、憲法制定の最初のステップとして憲法制定国民議会によって採択されました。
つまり、フランスの人権宣言はフランスの憲法を作るためにも重要なものであり、憲法を作り上げたという意味で意義があるとも言えるのです。
民族的な根拠での差別を禁止する
このフランス人権宣言というのは、現代の人権の理念にもつながるものがあり、歴史的には重要なものだといえます。
特に市民の中で差を付け、例えば人によって税金の法律を変えるなどという反立憲的なものはこの人権宣言においても厳しく禁止されています。
民族的な根拠で差別をする積極的差別是正措置の提案というのは、平等の原理を侵害するとして法律上厳しく処罰されなければいけません。
つまり、差別というものを禁止するという意義も持っているのです。
まとめ
いかがでしょうか。
フランス人権宣言は確かに200年以上も前のものですが、今にも通じる新しい考えが盛り込まれています。
特に人間の自由が認められ、人間は平等であるという考え方が生まれたという意味で、人権宣言には深い意義があると言えるでしょう。