フランスにおける権利宣言とは一体どのようなものだったのでしょうか。
フランス革命が起こったとき、1789年にフランス人権宣言という権利宣言が出されました。
これはその時点で反映し始めていたフランス啓蒙思想を反映させたものであり、1791年に発布される憲法にはこの権利宣言が盛り込まれています。
それならば、この権利宣言とは何なのでしょうか。
ここでは権利宣言の内容について解説します。
権利宣言の概要
フランス革命で発布された権利宣言は人間と市民の権利の宣言といいます。
一般的にはフランス人権宣言として知られていますね。
人権宣言と呼ばれると、世界人権宣言など他の人権宣言の可能性もありますから注意が必要です。
これは、人間の自由や平等、言論の自由、三権分立など17条から成り立っています。
最初はラファイエットによってこの権利宣言は起訴されました。
もともとは憲法制定の前段階として意図されており、1791年憲法ではこの権利宣言の内容が前文に盛り込まれています。
しかしその後フランスは王政を廃止し、共和制を迎えましたから、憲法も全面的に修正されることとなりました。
権利宣言の内容
権利宣言はまず王権神授説を否定し、国民に主権があることを主張しています。
またすべての市民は法の下に平等であり、能力や才能以上の差別なしに平等であるということが述べられているのです。
当時のヨーロッパには啓蒙思想というものが広がりつつありました。
ロックの抵抗権、モンテスキューの三権分立、ルソーの社会契約説という考え方はアメリカの独立宣言にも影響を与えており、当然ながらこのフランスの権利宣言にも大きな影響を与えているのです。
現代に与える影響
1958年10月8日に採択されたフランス第5共和制憲法によれば、権利宣言の所原理というものは立憲的価値があります。
それまでに発布された多くの法律はそのような原理に従っていなかったため、うまくいかなかったと考えられているのです。
つまり、1789年に出された権利宣言は現代に根付いている人権につながるものであり、その原理は今でも重要なものだと言えるのです。
ちなみに、民族的な根拠による積極的差別是正措置、アファーマティブアクションと言われるものは平等の原理を侵害するとして指定されています。
まとめ
いかがでしょうか。
権利宣言というとどうしても昔のものというイメージがあるかもしれませんが、その理念というものは現代にも通じる重要なものなのです。
そう考えるとフランス革命があったからこそ今のフランスがあると言っても過言ではないですね。