フランス革命がベートーヴェンや音楽史に与えた影響とは一体何だったのでしょうか。
ベートーヴェンはドイツ出身であり、フランス革命はその名の通りフランスで起きていますから、全く関係がないように思う人もいるかもしれません。
確かにフランス革命がベートーヴェンや音楽史に絶対的な影響与えたという証拠はありません。
しかし、少なからず関係があると考えられています。
それならば、フランス革命がベートーヴェンと音楽史に与えた影響とは何だったのでしょうか。
ここではその影響について解説します。
啓蒙思想の広がり
この時代のヨーロッパでは、啓蒙思想というものが広がりつつありました。
ロックの抵抗権、モンテスキューの三権分立、ルソーの社会契約説という考え方は自由や平等などという考え方を打ち出し、現代の人権につながる考え方を生み出したのです。
ベートーヴェンはこの啓蒙思想に強く共感したと言われています。
そしてこのフランス革命の思想に共感し、ナポレオンを讃えた交響曲第3番「英雄」作曲したといわれているのです。
ただし、ナポレオンが台頭した時代をフランス革命の最中と呼ぶかどうかはいろいろな意見がありますので、フランス革命に影響があったかどうかはっきりとは言えません。
第九について
ベートーヴェンと言えば第九を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
この歌詞に使われた「歓喜に寄す」の作者、シラーは啓蒙思想に共感したうちの1人です。
だからこそ、この曲は啓蒙思想の影響を受けた曲だと考えられています。
また、ベートーヴェンは若い頃、このシラーの詩に感銘を受けたと言われており、それがこの交響曲、第九を生み出したと言えるでしょう。
ですから、フランス革命自体が音楽史に影響を与えたというよりは、フランス革命に影響を与えた啓蒙思想が音楽史にも影響を与えていると言えるのです。
モーツアルトとフランス革命
ベートーヴェンではありませんが、実はモーツアルトもフランス革命と関係があります。
思想という点ではありませんが、モーツァルトが6歳の時、マリアテレジアが支配する神聖ローマ帝国に招待されていました。
そこでピアノ弾いたとき、緊張して転んでしまい、同じく6歳だったマリーアントワネットが手を貸したという逸話があります。
その時、モーツアルトは「ありがとう、大きくなったらあなたと結婚してあげる」と述べたと伝えられており、周りを笑顔にさせたと言われているのです。
まとめ
いかがでしょうか。
フランス革命に影響与えた啓蒙思想はベートーヴェンやその音楽史にも大きな影響を与えました。
特にフランス革命自体がベートーヴェンや音楽史に影響を与えたというわけではありませんが、それでも同じ思想が背景には存在していたと言えるのです。