フランス革命によって特権身分は一体どうなったのでしょうか。
フランス革命というと、国王であるルイ16世と王妃のマリーアントワネットが処刑され、王政が廃止されたというイメージを持っている人もいるかもしれません。
確かにそれはその通りですね。
それならばそれに従って特権身分はどうなったのでしょうか。
ここではフランス革命の後の特権身分について解説します。
特権身分とは何か
そもそも、特権身分というのは一体なんなのでしょうか。
当時のフランスにはアンシャンレジームという制度がありました。
国民の2パーセントが聖職者と貴族という特権階級であり、残りの98パーセントが平民だったのです。
平民の人数の方が圧倒的に多かったわけですが、当時は特権階級である聖職者と貴族が政治を掌握していました。
特権階級には様々な特権がありましたが、その中でも有名なものは税金を払う必要がないということでしょうか。
つまり、このときのフランスでは平民だけが税金を支払っており、国の経済を成り立たせていたのです。
三部会の招集
当時のフランスは財政的に困難な状況にありました。
そのため、国王であるルイ16世は1614年ぶりの三部会の召集を決定し、特権身分からも税金を取ろうと考えたのです。
しかし、当然ながら特権身分からは反発をされ、三部会はうまくいきませんでした。
その後、この議会に不満を感じた第三身分の議員と彼らに同意した第一身分、第二身分の特権階級の議員たちがベルサイユ宮殿のテニスコートに集まり、国民議会というものを作り上げたのです。
これによってフランス革命が勃発したとも言えるでしょう。
共和制の樹立
ルイ16世とマリーアントワネットが逃亡し、8月10日事件が起こったことにより、彼らの王権は停止されました。
もともと平民たちが力をつけ、国民軍としてベルサイユを攻撃しようとした時、貴族の多くは逃げ出しています。
また、ルイ16世の処刑によって王政が廃止され、共和制が樹立されました。
共和制という事は当然ながら特権階級というものも存在しないという事ですから、この身分も廃止されたのです。
ただし、共和制になった後はジャコバン派のロベスピエールらが恐怖政治を行いますので、決して共和制が実施されたというわけではありません。
しかし、これによって特権階級は存在しなくなってしまったのです。
まとめ
いかがでしょうか。
王政が廃止され、共和制になったという時点で特権階級というものも同時になくなりました。
この後もフランスは様々な政治体制を二転三転し、再度共和制に戻ります。
しかし、フランス革命によって特権階級がなくなったというのは注目すべき事実なのです。