フランス革命が起こったとき、霧が蔓延していたということを知っているでしょうか。
実は、アイスランドではラキ火山が1783年から1784年にかけて噴火していました。
そして、それがフランス革命に影響与えたとも言われています。
もちろん直接的な影響ではありませんが、間接的に影響していた事は確かでしょう。
ここではアイスランドの火山について解説します。
目次
ラキ火山
ラキ火山というのは、アイスランド南部にある単成火山のことです。
もともと930余年に大規模な噴火を起こし、1783年にもその隣にある火山と相次いで噴火しました。
その時に大量の溶岩と火山灰を発生させたということで国民にも大きな被害が出たのです。
1783年に断続的な噴火が起こり、それは1784年2月7日まで続きました。
フッ化水素ガス、二酸化硫黄ガスが噴出し、周辺では8割の馬、5割以上の牛と馬、そして2割の住民が命を落とすほどの飢饉が起こったのです。
この有害物質を含んだ煙は高度15キロにまで達し、ヨーロッパ全土に散っていきました。
ヨーロッパへの影響
1億2万トンもの二酸化硫黄が空気中に放出されたことにより、その有害物質はヨーロッパ全土に広がっていきました。
1783年から1784年にかけて何千人もの人が死亡したといわれています。
風向きの影響により、その有害物質は特に南東方向に広がっていき、イギリスではあまりにも霧が深く、船が港から出られなかったと言われています。
人々は硫黄化合物を吸い込んでしまい、呼吸困難に陥りました。
イギリスでは中毒死した人の数が20,000人を超えると考えられています。
また、この有害物質は農業にも大きな影響を及ぼしました。
フランス革命の影響
確かにこのアイスランドの火山が噴火したのは1783年から1784年ですが、その影響はその後数年にわたってヨーロッパに広がりました。
異常気象をもたらし、1785年からは何年にもわたり、食糧不足が続いたと言われています。
農業に大きな影響が出てしまい、人々は食べるものがなくなっていきました。
1788年には猛烈な嵐が起こってしまったことにより、さらに農業に打撃を与えたのです。
これによって貧困と飢饉が大きな問題となり、これが間接的にフランス革命の原因になったと考えられているのです。
まとめ
いかがでしょうか。
確かにフランス革命というとどうしても貴族たちの贅沢が原因だったと考えてしまいがちですし、確かにそれは事実です。
しかし、貴族たちが贅沢をしている一方で平民たちは大変な生活を強いられていました。
生活が苦しくなっていった背景には農業の不足という問題があり、その不作の裏にはアイスランドの火山という問題が隠れているのです。